【改正相続法②】改正のポイントと実務への影響2【事業承継と遺留分制度】

<Summary> 
遺留分「減殺」請求権が廃止されたことで
事業承継を進める上での障害が一つ解消された

事業承継の重要性

我が国の経済を支える中小企業の大半は同族会社であり、中小企業の経営者が高齢化していく中で、次世代に円滑に事業を承継して代替わりを果たすことは、当該企業を取り巻く取引先・従業員・株主等、社内外の利害関係者にとって重要なだけでなく、我が国の経済の発展それ自体にとって極めて重要なテーマです。

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【改正相続法①】改正のポイントと実務への影響1【総論】

改正相続法 待ったなし!

明治29年(1896年)に制定されて以来、約120年間ほとんど改正されてこなかった民法の債権法(契約・取引関係)が大幅に改正され、令和2年(2020年)4月1日から施行されることは、ニュースでも度々取り上げられていますし、法曹関係者でなくともご存知の方も多いと思います。

債権法改正が「明治の民法制定以来の大改正」とインパクトが大きいこともあり、その陰に隠れてしまっていたように思われるのが、「相続法の改正」です。

債権法改正も、時効期間の短縮をはじめとして実務に及ぼす影響は大きく当然重要ですが、実は、今回の相続法改正は、従前の制度を大きく変更し、また全く新しい制度を創設していて、通常の遺言・相続事案や遺産分割事案だけでなく、企業活動・事業承継の分野にも影響を及ぼす実務上のインパクトが非常に大きいところです。

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