【改正相続法⑧】遺産分割の見直し3【分割前の遺産処分、預貯金払戻し】

本日は、令和元年7月1日、改正相続法の原則施行日です。

前回記事から更新が空いてしまいましたが、使途不明金訴訟などでも関連してくる遺産分割前の遺産の処分等に関する新たなルールをご紹介します。

遺産分割の対象となる「遺産」の要件
現在(分割時)も存在すること

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【改正相続法⑦】遺産分割の見直し2【持戻し免除の意思表示推定と「相続させる」遺言など】

前回に引き続き、「持戻し免除の意思表示推定の規定」について、実務上問題になり得る点を何点か挙げてご紹介したいと思います。 
 

<Summary> 
1 具体的相続分を求める計算式
具体的相続分=(相続開始時に有した財産の価額+生前贈与の価額-寄与分)×(当該相続人の相続分の割合)-(特別受益の額)+(当該相続人の寄与分)

2 遺産分割における取得額の算出 
遺産分割における取得額=(遺産分割における対象財産の価額)×(当該相続人の具体的相続分)/(全相続人の具体的相続分の総和)

改正法施行前の解釈論であり、これから事例が集積されていくところですので、あくまでも想定事例の解釈論として、ご参考程度にしてください。

【その1】店舗兼住宅の場合 

遺贈・生前贈与された不動産が、店舗兼住宅のような場合にも、903Ⅳ(持戻し免除の意思表示推定)の適用があるか?「居住の用に供する建物」に該当するか?という問題です。 

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【改正相続法④】遺産分割がからむ場合の遺留分侵害額の計算方法の統一【具体的相続分説】


<Summary> 
1 遺留分侵害額の算定方法 

遺留分=A【遺留分を算定するための財産の価額】×1/2×(法定相続分)
遺留分侵害額=(遺留分)-(特別受益の額) 
      -B【遺産分割において取得するべき財産の価額】 
      +(相続によって負担する債務の額) 
2  A【遺留分を算定するための財産の価額】
=(相続開始時において残っているプラスの遺産)
 +(相続人に対する生前贈与の額)※原則10年以内
 +(第三者に対する生前贈与の額)※原則1年以内
 -(債務全額)
3 B【遺産分割において取得するべき財産の価額】
遺産分割未了でも具体的相続分に応じて遺留分権利者が取得するべき財産の価額をいう
4 複数の侵害行為がある場合の順序 
・遺贈と生前贈与がある場合には遺贈が先に対象
・複数の遺贈、複数の生前贈与がそれぞれある場合には、目的物の価額に応じて
5 権利行使期間と金銭債権の時効期間
・侵害額不明でも相続開始&侵害事実を知ってから1年以内に権利行使が必要
・具体的金銭債権としては5年の消滅時効 

前回は、遺留分侵害額算定のうち、上記A【遺留分を算定するための財産の価額】についての新法における計算方法をご紹介しました。 

今回は、上記B【遺産分割において取得するべき財産の価額】について新法の下での計算方法や注意点をご紹介します。

遺産分割がからむ遺留分侵害額の計算方法

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