謹賀新年【2026 新年の抱負】

旧年中は多大なるご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
本年も、変わらぬご指導とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

当事務所は、今年で開設8年目を迎えます。
振り返れば、昨年は、私たちにとって激動と呼ぶにふさわしい一年でした。
1月には円山照弁護士という新たな仲間を迎え、春には商船三井ビルの閉館決定に伴い、移転を決意。テナント探しの末、11月には神戸国際会館という新天地へと拠点を移しました。
環境が目まぐるしく変わる中でも、変わらずに支えてくださった皆様に、改めて深く感謝申し上げます。

さて、私事ではございますが、今年、50歳を迎えます。

「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり」
かつて織田信長が好み、舞ったとされる『敦盛』の一節です。戦国の世において、五十歳は人生の幕引きを意識する時でした。
しかし、人生100年時代と言われる現代において、そしてAIという未知の知性が社会を席巻し始めた2026年において、この言葉はまた違った響きを帯びてきます。

今の世の中は、信長が生きた時代以上に、時の流れが加速しているように感じます。
特にAI技術の進化は、私たち法律家の実務にも、革命ともいえる変化をもたらしています。
膨大な情報処理、迅速な回答・・・かつて数日かかった仕事が、数秒で完結することもあるでしょう。

そんな「夢幻」のように激変する時代だからこそ、「四十にして惑わず」を経て、五十歳で知るべき「天命」とは何か。
それは、AIには決して代わることができない「人の心の機微」を解することではないかと思うのです。

司法試験の受験勉強に明け暮れた20代、家庭を持ち、弁護士としての基礎を固めた30代、独立開業し、荒野を切り拓いてきた40代。
これら泥臭い、人としての経験こそが私の財産であり、AI時代の法務における最後の砦となるものと信じています。
効率化できるところは最先端の技術に任せつつも、依頼者様の悩みに耳を傾け、その奥にある真意を汲み取る―その温もりある対話だけは、決して手放してはならない本質だと確信しています。

神戸国際会館という新しいステージで、不惑を過ぎてなお未熟な自分を楽しみながら、現状の安寧に留まることなく、日々研鑽と挑戦を続けて参ります。

この一年が、皆様にとって素晴らしい年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

令和八年午年 元旦
弁護士 中野 宗一郎